「進化する介護」研修会報告

千葉扶美

研修会

平成18年3月21日、NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会日本ALS協会宮城支部共催、「進化する介護」の研修会に参加させていただきました。橋本操さん、川口有美子さんを始め、さくら会の皆様、東京からお越しいただきましてありがとうございました。日本ALS協会宮城支部の皆様、この研修会開催のためにご尽力いただきましてありがとうございました。初心者介護人の私には「そうだったのか」「だから、こうなのか」と気づかせてくれる大変ためになる研修会でした。

You can fly!~皆で大空に飛び出そう~外出支援のAからZ

外出方法に関する講演

移動介助についての講演だと伺っていたのですが、You can flyの読んで字のごとく、散歩から新幹線、飛行機まで、人工呼吸器を積んだ車椅子での外出の仕方についてでした。

いろんなトラブルに遭遇しながらも、冒険心でもって、まずは自分でやってみて、あちこち飛び回る操さんと操さんファミリーの心意気に感動しました。これから、人工呼吸器と車椅子での生活をどうしていこうと考えている私共家族にとって、これから家の周りを散歩くらいはできるだろうかとか、家の中で暮らすことしか想像できなかったので、「ここにいける」「あれもできる」と、人工呼吸器を積んだ車椅子がとても軽いものに思えました。移動介助も、ただ移動を助けるのではなく、外へ外へ向けた可能性の発見をお手伝いするのが移動介助なのだと教えてくれる講演でした。

医療的ケアをさくら会ではどう教えているか
~在宅ケアをともに考える~

医療的ケア関する講演

ALSの介護で医療的ケアというものが一日でどれぐらいの割合を占めるのかという円グラフから講演がスタートしました。実際介護をしていても、看護師さんがどのように学んできたのかということまで、家族は分からないままで、今までも看護師さんを困らせてしまうことも多く、また、ヘルパーさんがどう不安を感じているのかということまで、なかなか考えることはありませんでした。

この講義では、看護師さんがどう学んできたのか、ヘルパーの思いや考えを学ぶことができ、「吸引」にしても、この講義で自分が今までちゃんと分からないままで吸引の介護をしていたということに気づき、焦りました。

吸引研修

吸引講習

Qちゃん人形での吸引研修では、経験者、未経験者に分かれ、指導いただきましたが、実際、誰かの気管にチューブを入れて練習することは家族でもとても怖いことなので、仕組みから理解するためにもこういった人体模型での実習があるととても助かります。

今回の研修に参加して、いつもはなかなかお会いすることのできない自分の家族以外の患者様やそのご家族、各専門機関の方々にお会いでき、また貴重な情報交換ができ、大変勉強になりました。ぜひ、またこのような交流や勉強の機会を患者や家族にも開いてほしいです。


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